2012年4月25日水曜日

日本は世界第二の「森の国」 (1)

(1)日本は国土の約7割にあたる2500haが森林で、国土面積と森林の比率ではフィンランドに次ぐ「世界第2位の森の国」であるそうだ。   (2)このこと、つまり「日本は世界第2位の森の国」であることを、日本国民にもっともっと知らせた方がよい。      日本国民は、「日本は森の国」であることをもっと自覚し、「森の国」の国民であることにもっと誇りを持ち、      「森の国」を守ることは国民としての責任と考えた方がよい。   (3)木は、炭酸ガスを吸い酸素を排出する。   CO2の排出権の観点からも、森林を地球温暖化対策上の日本最大の資産として大切に守ることを考えた方がよい。 -つづく-

2012年3月26日月曜日

経営とは何かを考える(1)

宇都宮大学国際学部
株式会社開倫塾提供寄附講座
国際学特殊講義Ⅰ
2007 年8月8日(木)
宇都宮大学国際学部教室




本講座提供の趣旨
開講に先立ち株式会社開倫塾が本講座を宇都宮大学国際学部に提供させて頂く趣旨をお話しさせて頂きます。

開倫塾は、教育目標、経営目標を「高い倫理」「高い学力」「高い国際理解」「自己学習能力の育成」と定め、企業としての社会的使命(mission ミッション)を「成功の実現に貢献すること」としております。


講師の神永善次大使は、世界に生きる新しい日本の対応を示した「欧州の知恵」(講談社、1992年刊)や、東洋の「生き方」を読み取る「アジアのBCG」(三田出版会、1998 年刊)を著しておられます。


ちなみに「アジアのBCG」とは「B はアジアの美」、「C はアジアの思」、「G はアジアの慈」とのことであります。

この神永大使の5日間(90 分15 コマ)の集中講義によりまして皆様が「高い倫理」「高い学力」「高い国際理解」とは何かについてお考え頂き、
一生を通じて日本外交についての勉強を継続するきっかけを自分なりにおつくり頂ければ、皆様の「自己学習能力の育成」に繋がり、ひいては皆様人生における「成功の実現に貢献」できるものではないかと確信いたします。



おわりに

皆様は国立大学法人宇都宮大学国際学部の学生であります。


破綻に瀕している日本国の貴重な税金で運営されている国立大学法人で学ぶ者として、自分の利益のみを考え学ぶのではなく、どうか「高い志」をもって学んで頂きたい。


国際公務員や外務省に勤務し、世界の平和の維持や日本の国益(National Interest)のために活躍したり、民間にあっても日本の外交は担えますので、どうか何らかの形で一生涯を通して、日本外交の担い手になるのだという「高い志」をもって学んで頂きたく希望しいたします。

2012年2月13日月曜日

谷内正太郎、高橋昌之著「外交の戦略と志―前外務事務次官谷内正太郎は語る―」産経新聞出版社2009 年4 月26 日刊を読む

外交の戦略と志―前外務事務次官谷内正太郎は語る―

1.外交の基本は国益追求

(1)40 年間、基本的に自分が考えていた問題意識はそんなに変わっていない。

第1 に、外交の基本は国際舞台で国益を追求することだということだ。

ただし、自国だけ良ければいいという近視眼的なやり方では、国益を守るつもりでも守れないし、伸ばすものも伸ばせない。
国際公益との整合性を保ちながら、国益を追求することが基本だ。

英語では「エンライトンド・セルフインタレスト」、つまり「啓かれた利益の追求」と言ったりする。

さらにいえば、国益の中核にあるのは安全保障であり、安全保障とは突き詰めれば「国民の生命と財産を守る」ことだ。
そこが大事という問題意識は変わっていない。


(2)第2 に、先にちょっと触れたが、外務省の宿弊である「事なかれ主義」を、打破しなければならないということだった。

日本がまだ国力がそれほどなかったときは、事なかれ主義で、頭を低くして、トラブルには首を突っ込まない、余計なことはしない、受け身でいいということでよかったと思うが、今やそれは許されない。許されなくなって、もう長いこと経つと思う。

国家が発展し、国力が増大すれば、それに伴って国際的な責任も増え、期待も高まる。
その国家がさらに「大国」として成長するには、国際的な関わりを増強する必要がある。

国民はその動きを支持し、自らも参加し、さらには外国から一定の敬意を受けたいと思うようになる。
それを可能にするのは事なかれ主義ではなく、積極主義である。

私が次官になって訴えたのは「攻めの外交」であった。

時には大胆な決断をし、世界史の創造に積極的に関わっていく、歴史を切り開いていくという気概も必要だ。

それと同時に、日本は外交の基本の一貫性、継続性を守っていくことも重要だ。

米ソ冷戦崩壊後の1990 年代、いわゆる「失われた10 年」の間、日本では7 人の首相が登場し、その度、外国人からは「首相が代わったら外交政策は変わるのか」ということをよく聞かれた。
そのときに私は「首相が代わったからといって国益まで変わるわけではないのだから、外交の基本的方向は一貫性をもって継続される」と答えてきた。
だから、「政治」がいかに変わろうとも、その一貫性を保つということが、外交事務当局の重要な存在理由にもなっている。

第3 にますます重要性を増しているのは、「国民とともに歩む外交」という視点である。
外務省はよく目線が高いとか、国民から遊離していると言われてきた。
他国でもこのような外務省批判はよく聞くところだが、拉致問題が注目されてからは、特にわれわれが心がけなくてはいけないことだと痛感している。



2.責任はすべてとる
(1)私は外務事務次官に就任するにあたり、国民に信頼される外務省にしたいと強く思った。

私自身は仕事をするときは7 割か8 割の力を出して、残りは温存しておいて、緊急事態に使えるようにしたいと思いたがる性質なのだが、次官になったときはともかく一球一球をおろそかにせず、全力投球でいこうと思った。

勝海舟の言葉に「事いまだ成らず小心翼々事まさに成らんとす大胆不敵事すでに成る油断大敵」というものがある。

(2)心がけようとしたのがそれで、外交政策に取り組むにあたって、準備するときは小心翼々、つまりどんな問題点があるんだろうか、どんな反応があるだろうかということを真剣かつ慎重に検討する。
ここが勝負所だというときは大胆不敵に決断し、実行する。

事すでに成ったときは勝って兜の尾を締める、油断大敵の心構えである。

仮にうまくいかなかったときは、責任をとるという覚悟でやってきた。


(3)ただ、次官は事務当局の最高責任者だから、目を吊り上げて髪を振り乱してという姿は、部下を当惑させ、不安がらせるだけなので、余裕のあるような態度をとるようにはしていた。

しかし、次官をやること自体が自分にとっては勝負所だったので、実際はただただ一生懸命だった。


(4)最初の頃は信頼しているある部下から
「外務省員は次官をクールな目で見てますよ。お手並み拝見という感じです」
と言われた。

自分ではまず自分自身が意欲を持って仕事に取り組み、外務省全体の責任はすべて自分がとるということ以外にないと思っていた。

(5)だから平成17 年1 月4 日に次官に就任した際、全省員に対するあいさつの中で
「事務当局の最高責任者としてみなさんがやったことについてはすべて責任はとります。
その覚悟でここに立っているつもりです。
一緒に頑張ってやっていきたいと思います。」
と言った。

それをずっと心がけてきたつもりで、段々とみんなが意欲的になってきた、省内が明るくなってきたという印象があった。

そういう意味で自分が心がけてきたことを、みんなが理解してくれてよく頑張ってくれたと思う。

外交官は国益のために自分の将来を計算に入れずに仕事をしなければならない。
いろいろと心ない批判を受けることがあっても、「恐れず、めげず、屈せず」に「しなやかに、したたかに、信念を持って」仕事をすべきだ。
P24 ~ 27


[コメント]
外交の基本は国家の安全保障との使命を明確に自覚して、日本の外交官のリーダー役を果たされた谷内氏の本著は、動揺に次ぐ動揺を重ねる近時の日本外交に一定の方向を与えるものでとても参考になる。
外交官だけでなく企業や行政のリーダー論としても大いに学ばせて頂きたいと考える。


- 2011 年1 月2 日林明夫記-