2012年7月18日水曜日

「勉強とは何か」を考える(3)

---続き

Q:例えばどういうことですか。


A:(1)私は、開倫塾という学習塾を創業し、皆様のお陰で今では6000名以上の塾生をもつ学習塾になりました。

開倫塾で働く人々は400名に迫ろうとしています。その経営者としての社会的使命を果たすためには、「中堅会社」の経営者としての勉強が求められます。

また、マニー株式会社の社外取締役を務めますので、製造業やマニー株式会社について学ぶと同時に、社外取締役にとって必要な勉強も少しずつしております。(1枚目の「びょうぶ」)

(2)次に私は、経済団体の一員としての活動をしていますので、各々の経済団体のもつ社会的使命(mission、 ミッション)達成のために、一人のメンバーとして勉強をしています。

経済団体から派遣され、栃木県や宇都宮市の教育委員会の審議会等の委員を委嘱されていますので、その委員会の委員としての社会的使命を果たすための勉強をしています。

また、とちぎニュービジネス協議会の政策委員長をおおせつかっていますので、その使命を果たすための勉強も少しずつ積み重ねています。(2枚目の「びょうぶ」)

(3)第3に、私は人間の安全保障の促進を設立の理念として発足した「開倫ユネスコ協会」の設立メンバーとしてユネスコ活動をし、ユネスコや人間の安全保障の勉強をしています。

2008年秋からは、国立大学法人宇都宮大学国際学部で「人間の安全保障」の講座を担当する予定ですので、そのための勉強も少しずつ重ねています。(3枚目の「びょうぶ」)

(4)第4に、私はCRT栃木放送でラジオ番組「開倫塾の時間」を毎週1回担当し、21年目に入りました。

また、開倫塾の月刊誌の巻頭言を担当し、20年目になります。地元の月刊ミニコミ誌「みにむ」の連載に続いて、2年半前より、月刊誌「私塾界」の連載を担当させて頂いています。

放送内容も含め、コラムの執筆のための「勉強」も欠かせません。(4枚目の「びょうぶ」)

*まとめてみますと、私の勉強は次のようになります。私は「4枚びょうぶ型人生」を目指しています。

①経営者を目指しての勉強

②ビジネス・ステーツマン(財界人)を目指しての勉強

③社会教育家を目指しての勉強

④コラムニストを目指しての勉強

これらはすべて関連し、すべて社会的使命(mission、ミッション)の達成のための「勉強」となります。

私自身が「よく」生きるための「勉強」と言えます。

《2.どのような方法で勉強されていますか。5つ程あげて下さい。》

Q:どのような方法で林さんは勉強していますか。

A:第1は、所属する会社や団体の勉強会への参加です。例えば、会社や、経済団体等で開かれる勉強会、ユネスコ等の社会活動の勉強会など、所属する団体が主催する勉強会にはできるだけ積極的に参加しています。
 
例えば、東京の経済同友会の委員会では、その分野で著名な学者や官僚、政治家、有識者や実務家を続々と講師として招き、講義後、参加している委員との本格的なディスカッションをしたり、その調査・研究の成果を提言にとりまとめて政府等の関係者に提言書として提出することが多々あります。
 
このような「勉強会」は、自分自身が主催団体のメンバーであり、勉強会も運営していますので、主体的に取り組んでいる関係で非常に有益です。
 
---続く

2012年7月13日金曜日

「勉強とは何か」を考える(2)

---続き

(6)年齢に応じて「よく生きる」ために勉強することも大切です。


①参考になるのが、孔子の教えを書き伝えた「論語」の「為政第二」。

「子日わく、吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑(まど)わず。

五十にして天命を知る。

六十にして耳順(したが)う。

七十にして心の欲する所に従えども矩(のり)を踰(こ)えず」

(通釈)孔子が言った。私は十五歳で学問に志し、三十歳で、思想も、見識も確立した。

四十歳で心の惑いもなくなり、五十歳で、天から与えられた使命を自覚した。

六十歳で、何を聞いても耳にさからうことがなくなり、七十歳になると、自分の欲望のまゝに振舞っても、その行動が道徳からはずれることはなかった。

*須永美知夫著「論語抄」(第3版)足利市教育委員会(史跡足利学校事務所)、平成15年9月1日発行、9~10ページより引用。

②15歳までにする勉強、30歳までにする勉強、40歳までにする勉強、50歳までにする勉強、60歳までにする勉強、70歳までにする勉強の内容が充実していてはじめて、孔子の言う状態になります。

そのためには、

ア15歳までに「学問に志す」だけの勉強をすること。

イ30歳代までに「思想や見識を確立する」だけの勉強をすること。

ウ40歳代までに「心の惑いがなくなる」だけの勉強をすること。

エ50歳代までに「天から与えられた使命を自覚する」だけの勉強をすること。

オ60歳代までに「何を聞いても耳にさからうことのない」だけの勉強をすること。

カ70歳代までに「自分の欲望のままに振舞っても、その行動が道徳からはずれることがない」だけの勉強をすること。

(7)私は、「びょうぶ型人生」を目指して勉強することも、「よく」生きるためには大切かと考えます。

①「びょうぶ型人生」とは、人生のびょうぶを何枚かに設定して、そのびょうぶをしっかり立て、「よく」生きるために勉強するものです。

②例えば、1枚目は「仕事」、2枚目は「趣味」のスポーツ、3枚目は「ボランティア活動」、4枚目は「執筆活動」というように、1つ1つのびょうぶはそれぞれの「勉強」を積み重ねてはじめて充実する。

1つ1つのびょうぶの内容は異なるものだが、同一人物がやるものなので、高さや、厚みを調整するというバランスも必要。

Q:林さんは何のために勉強しているのですか。

A:私ですか。

私は、私に与えられた「社会的使命(mission、 ミッション)」を少しでも全うするため、果たすために勉強しています。

---続く

2012年7月6日金曜日

「勉強とは何か」を考える

《1.何のために勉強されていますか。》


Q:人は何のために勉強していると考えますか。

A:(林明夫:以下省略)よく生きるためだと私は考えます。

(1)「人は皆『よく』生きようとしています。人間は人間である限り、いつでも、どこでも、だれでも、どういうことがあっても、一人ひとりが例外なく、それぞれに『よく』生きようとしているのです。」

*村井実著「みんなに伝えたい教育問答」東洋館出版社、2007年7月20日刊、6~8ページより引用。

人はよく生きるために勉強するのだと私は考えます。

(2)人はよく生きるために仕事をします。

「人は何のために働くか」といえば、「生活できるだけの収入を得るため」と「仕事を通して自己実現するため」と私は考えます。

このような仕事のことを「ディーセント・ワーク(Decent Work、 ちゃんとした仕事、きちんとした仕事、適正な仕事)」と言うのだと私は考えます。

この「ディーセント・ワーク」に就くためには、「勉強」して「雇われる能力(employability エンプロイアビリティ)」を身に付ける必要があります。

(3)「雇われる能力(エンプロイアビリティ)」には、レベルに応じて4段階あります。

①経営者(トップマネジメント)としての雇われる能力(エンプロイアビリティ)

②中堅幹部(ミドルマネジメント)としての雇われる能力(エンプロイアビリティ)

③現場の管理者(ロワーマネジメント)としての雇われる能力(エンプロイアビリティ)

④一般社員としての雇われる能力(エンプロイアビリティ)

1つ1つの段階の「雇われる能力(エンプロイアビリティ)」を身に付け、「ディーセント・ワーク」をめざして、人は「勉強」し続ける必要があります。

(4)この「雇われる能力」は「強化」し続ける必要があります。

「能力強化」を英語では「empowerment(エンパワーメント)」と言いますが、このempowermentには、もう一つ「権限委譲」という意味があります。

つまり、「能力強化」されてはじめて「権限委譲」がなされるということです。

「能力強化」が果たされなければ「権限委譲」はないということを、この「empowerment(エンパワーメント)」ということばは教えてくれています。

そのために「勉強が必要」なのだと考えます。

(5)「トップマネジメントとしての雇われる能力(エンプロイアビリティ)」にも、いくつかの段階があります。

①大会社のトップとしてのマネジメント

②中会社のトップとしてのマネジメント

③小会社のトップとしてのマネジメント

④零細会社のトップとしてのマネジメント

零細から小へ、小から中へ、中から大へと会社の規模が変わる毎に、それなりの勉強が求められます。
 
(零細会社はセスナ、小会社は中型飛行機、中会社はジャンボジェット機、大会社はロケットなど、乗り物により求められる免許状や飛行技術が全く異なるのと同様に、会社の規模によりトップマネジメントとして雇用される能力(エンプロイアビリティ)が異なり、その都度「勉強」をし直す必要があります。)
 
---続く