2012年11月28日水曜日

学校の教科書を社会でも活用を(2)

---続き

5.ところで、以前、仙台市の中学校で教職員による公開講座を大々的に実施していた。

講座内容を「お品書き」と称して公開し、成人の学習サークルなどの要望に応じて、校内外で教職員が講義・指導する取り組みである。

また、品川区の中学校では生徒と住民が共に学ぶ「公開講座」に取り組んでいた。

選択教科の数学、国語、英語、音楽の通常授業で、地域住民である高齢者が生徒と机を並べて学習するのである。

共に、住民、特に高齢者に好評だった取り組みである。

最近、鳥取県伯耆町で、聴講生制度を実施している中学校があることを知った。

通常授業に成人が聴講生として加わり、生徒と一緒に学習するユニークな実践である。

このような成人の教科学習は、学校のみならず、公民館などに大いに期待される課題になる。
[コメント]

公民館やコミュニティスクールなどでの社会教育のテキストとして最も活用されるべきは、小学校、中学校、高校などの学校の教科書と教科書に準拠した資料集、問題集であるとかねがね考えていた私にとってこの文章は当に、「我が意を得たり」と高く評価したい。

大学でのリメディアル教育(補習教育)にも小~高校の教科書は有用。「○○基礎」「○○入門」という講座やコースのテキストや参考書はすべて学校の教科書にしたらどうかと思うくらい、日本の学校の教科書の内容は素晴らしい。

学校の教科書は児童・生徒だけに使わせるにはあまりにももったいない。

もっともっと社会でも活用できるよう、書店やインターネットでも販売すべきと考える。

p.s
開倫塾では中学3年生の高校入試のための「合格必勝パック」を全国販売しております。
詳しくはこちら

2012年11月17日土曜日

学校の教科書を社会でも活用を

1.最近、成人向けの高校教科書が書店に並んでいる。

高校の教科書を若干加工して、成人の教養書として販売しているのである。

日本史や世界史、政治・経済、数学などの教科書が多い。

成人が復習するためであろうが、学習を楽しむためでもある。

2.そういえば、以前、高齢者が孫の教科書を楽しそうに読む姿を見掛けたことがある。

孫に教えるためではなく、面白いから読んでいるのだと言うのである。

自分が中学校の時によく分からなかったことが、今だとよく理解できるから楽しいと言う。

筆者も、中学生や高校生の時代に古典を読んで、何がよいのかさっぱり理解できないまま、内容を覚えた経験がある。

しかし、今になって「論語」や「孟子」を改めて読むと、確かに面白い。

数学などの自然科学分野の教科書も読み返すと、青年期とは違う分かり方ができる。

このことは一般化できる傾向であろう。

3.それでは、なぜ、年を重ねてから教科書を読むと面白いのだろうか。

経験を積むと、物事の具体的認識が豊富かつ多様になり、教科書に書かれた抽象的な内容が具体化できるようになるからである。

古典の文法や数学の公式などを自分の経験に引き付けて、具体的に認識できるのである。

例えば、「1 兆円で何が買えるか」という問いに対して、すぐに答えられる人はほとんどいない。

1兆円を見たことも、使ったこともないため、具体的認識に落とせないからである。

しかし、1000円で買えるものであれば、すぐに答えられる。

1000 円は日常生活で頻繁に見ているし、使ってもいるので、瞬時に具体的認識に引き付けられるからである。

4.石川啄木の歌集「一握の砂」に、「たはむれに母を背負ひてそのあまり軽さに泣きて三歩あゆまず」という有名な一首がある。

この短歌が言わんとすることとその味わいは、老いた親を持つ経験がなければ到底理解できないであろう。

要するに、年齢を重ねると、分からなかったことが分かるようになり、理解が深まるのである。

---続く

p.s
開倫塾では中学3年生の高校入試のための「合格必勝パック」を全国販売しております。
詳しくはこちら

2012年11月5日月曜日

モラルハザードに陥った日本(3)

---続き

11.しかしその結果、これまでどうしてもできなかった構造改革が急速に進展することがありえるかもしれない。

12.為替が大幅な円安となり、政府の機能も麻痺するので、外国人投資家による日本の底値買いが起きることも考えられる。

特に、優れた科学技術や工業技術、生産管理技術を持つ企業は、海外投資家の草刈り場となるであろう。

しかし、被買収によって外貨資金調達の道が確保されるため、経済活動は息を吹き返す可能性がある。

雇用機会も増える。また、都心の立地条件の良い商業地や地方農村部の使い勝手の良い農地などにも、海外からの企業投資が増大することもありうる。

13.以上のように、日本財政再建の道筋が立たないときには、暴力的ともいえる経済再生シナリオが一挙に浮上することもありえよう。

言い換えれば、もし我々が財政規律を欠けば、短期的・暴力的・過激な市場の嵐に、日本が巻き込まれることになるのだ。

14.これを回避して日本経済の再生を目指すためには、徹底的な歳出削減と、政治活動の規模のダウンサイジングを合わせた、「超緊縮財政」以外に選択肢はないのである。

[コメント] モラルハザードに陥った日本

今日に至る歴代の日本政府の大衆迎合愚民政策、放漫なバラマキ支出がこのまま続いたらどうなるかというシナリオが、わかりやすく示されている。

国民もそれに甘え切り、子孫に膨大な抱え切れないほどの負担を強いている。

誰にでもわかるこのような簡単なシナリオが、なぜ政治家には理解できないのだろう。

政治家も、官僚も、そして、国民も、なぜ日本という国家を破滅の道に歩ませるのだろう。

不思議でならない。

日本は完全にモラルハザードに陥っている。

p.s
開倫塾では中学3年生の高校入試のための「合格必勝パック」を全国販売しております。
詳しくはこちら