2012年2月2日木曜日

ピザ(PISA)にからくりなし

中谷好江著「ピザ(PISA)にからくりなし」アピール
産経新聞2011 年1 月12 日刊を読む


1.私どもOECD(経済協力開発機構)が実施している国際学習到達度調査(ピザ)の信憑性を疑う立命館大教授の加地伸行氏のコラム「“ピザ”のからくり」が昨年暮れ(12 月26 日)掲載されました。

ご存じない方もいらっしゃると思いますのでこの機会にピザ(PISA)についてご紹介させていただきます。


2.まずピザの目的は、OECD 加盟34 ヵ国などの15 歳の男女を対象に義務教育終了時の読解力や数学的応用力、科学的応用力などを測定、把握することにあります。


3.調査は、国際センター経由で各国の調査実施機関に委託し、2000 年から3 年ごとに実施しています。


4.調査結果は、国際比較できるよう、企画や問題開発、対象集団の抽出、実施、採点方法などさまざまな順守事項などが定められています。


5.調査対象は、公立/私立、普通科/専門学科といった層別の人口規模に比例するように必要数の学校を抽出。次に学校内でまとまった人数(35 人)の生徒を抽出する「層化二段抽出法」を採用しています。


6.この方法では、恣意的に学力の高い学校や生徒を抽出することはできません。


7.採点については、事前に採点基準などのマニュアルが用意され、各国4 人の調査・採点担当者が独立して採点を行いますが、国際センターでも独自に用意した各国の言語に堪能な採点者が採点します。


8.これは、4 人の採点者間の採点の一致度・信頼性および国際センターの採点者との一致度・信頼性を対比させるためのもので、採点などを含め国際基準を満たさないと判定された場合は、結果は公表しません。


9.なお、すべて最高値だった得点など、加地教授が疑問視されていた初参加の上海の場合、PISA運営理事会が「客観的な調査を実施することが可能な地域である」と判断して地域参加を認めたもので、しかもその結果は中国全体の結果を示すものではありません。


[コメント]
OECD PISA(15 歳児対象の国際学習到達度調査)についての調査の主催者である中谷好江OECD東京センター所長によるわかりやすい解説、説明。

地域として参加した中国・上海市が3 部門で突然PISA の首位を独占したのでわきおこったPISA の調査方法に対する疑念を払拭するために書き記したものと思われる。

調査結果に疑問をはさむ時間があったら、一日も早く日本は上海や韓国、シンガポール、フィンランドに追いつく努力をすべきと私は思う。

- 2011 年1 月12 日林明夫記-

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