2012年1月24日火曜日

ディーセント・ワーク(Decent Work)をめざして (2)

Q:社会で役に立つ仕事とは、どのようなものですか。




A:「仕事」は、お客様のために「製品(もの)をつくること」と、お客様に「サービスを提供すること」の2つに分けられます。


「製品(もの)をつくること」、「サービスを提供すること」のどちらも、お客様にとって「問題解決」になっていなければ仕事とは言えず、
仕事の「対価」として「生活できるだけの収入を得る」ことはできません。


また、いくら「製品(もの)」をつくり「サービス」を提供してお客様の「問題解決」になっても、
「価格(値段)」が高すぎたり、不便な「場所」で提供されたりしたのでは、お客様は受け取ったり利用したりすることができません。


さらに、製品やサービスの販売促進やPR、つまりお客様とのコミュニケーションが不十分であると、お客様にそのよさ(価値)を知ってもらうことができず、
せっかくつくったものや用意したサービスを買ってもらえません。


つまり、お客様が抱えている「問題解決」になるような「製品やサービス」を、お客様が買うことのできる手ごろな「価格」で、利用しやすい便利な場所で提供し、
そのよさ(価値)をお客様とのコミュニケーションで十分知ってもらい、お客様のお役に立つ、その結果はじめて「生活できるだけの収入を得ること」ができるといえます。





Q:「生活できるだけの収入を得る」ことは、世の中の役に立つことだと考えればよいのですね。



A:その通りです。
だからこそ、「仕事」は収入を得るだけではなく人生の貴重な時間の一部を注ぎ込むに値するものであると私は思います。


先ほど、「ディーセント・ワーク」の意味として、「働く価値のある仕事」と紹介しましたが、
「働く価値がある仕事」であるからこそ「仕事を通して自己実現」できる、つまり「その仕事に人生を懸けて打ち込める」といえます。


私は、「一つの所に命を懸ける」くらい熱心にものごとを行うという意味での「一所懸命」ということばが好きです。


1つ1つの仕事の「社会的使命(mission,ミッション)」、つまり社会における自分の仕事の意味・大事さが分かれば分かるほど、自分の人生の貴重な一部をそのために使いたいと思うようになりました。
これが、仕事を通しての「自己実現」です。





Q:仕事をして得た喜びはありますか。やりがいはありますか。



A:私が現在行っているのは、「企業の経営者としての仕事」と「社会的な活動」の2つです。


どちらも、「企業としての社会的な使命(mission,ミッション)」や社会的な活動としての「社会的な使命(mission,ミッション)」を少しでも果たすことができたときには、
喜びがあり、やりがいを感じます。





Q:仕事をしていて失敗はありますか。



A:あとで考えれば、毎日が失敗の連続のような気もします。
ああすれば、もっとよりよくできたのにと思うことばかりです。


小学生の時に、一日の終わりに反省会というものがありました。
今でも毎日が反省会の連続です。


ただ、仕事の上での失敗は一回は許されても二回は許されません。
同じような失敗をしないように失敗から教訓を学び取るようにしています。


仕事の上で事前に入念な「段取り」、つまり準備を丹念に行っておけば、失敗する確率はかなり減ります。
複雑なものほど、仕事の順序(process プロセス、手順)を抜かりなく考えるようにしています。


また、大事な問題ほど「耳に痛いことを言ってくれる人ほど尊い人だ」と考えるようにしています。
スタッフには、
・どこに問題があるのか
・その原因は何だと推定されるのか
・緊急措置としてとりあえずどうすればよいのか
・ゆくゆくはどのようにシステムを改革したらよいのか
などを、できるだけ具体的に、そして自由に発言してもらうようにしています。


「問題点を先送りにしない」ことが大事なので、タブーなしで自由に発言してもらってから、最高責任者が私の場合には自分の責任で一人で決定を下します。


ただ、私の考えた決定と異なる考え方をする人が一人でもいる場合には、私が決定に到ったプロセス(process, 過程)をできるだけ具体的に分かりやすく説明し、
理解した上で協力してもらえるように努力しています。
これを「説明責任(accountability, アカウンタビリティ)」といいます。

0 件のコメント:

コメントを投稿