2012年1月23日月曜日

ディーセント・ワーク(Decent Work)をめざして(1)

社会で働くことの意義を考える



Q:人間は、何のために働くのですか。働くことの意義は何ですか。



A:(林明夫:以下省略)「生活できるだけの収入を得ること」と同時に、自己実現をすること」であると私は考えます。

皆さんは、「ディーセント・ワーク」ということばをご存知ですか。
英語でdecent(ディーセント)とは、「見苦しくない、上品な、かなり(りっぱ)な、寛大な、親切な」という意味です。

*参考までに、形容詞decent の名詞形はdecency で「礼儀(正しさ)、上品さ、寛大、親切」の意味があり、decency の複数形decencies は「礼儀作法、見苦しくない生活状況」を意味します。

このdecent(ディーセント)にwork(ワーク)をつけたのが、decent work(ディーセント・ワーク)ということばです。







Q:何ですか。その「ディーセント・ワーク」というのは。



A:国際連合の一機関であるILO(International Labor Organization インターナショナル・レイバー・オーガニゼーション世界労働機関)の事務局長のジュアン・ソマビア(Mr. Juan Somavia)という人が、1999 年に就任した際に、ILO のこれからの理念・活動目標として示したのが「ディーセント・ワーク」です。

「ディーセント・ワーク」とは何か。このことばからは、いろいろな意味が考えられます。たとえば、「きちんとした仕事」、「働く価値のある仕事」、「適正な仕事」、「人間らしい仕事」、「尊厳ある仕事」、「人間としての尊厳を保つ仕事」、などなどです。

堀内光子ILO 駐日代表は、ディーセント・ワークを「働く人の権利が確保され、社会保護が保障され、労使対話のある仕事。
いってみれば、「人間らしく安心して働ける仕事」と説明しています。

私は、このILO の示した「ディーセント・ワーク」ということばを参考にして、働くことの意
義、意味を「生活できるだけの収入を得ること」と「自己実現をすること」と考えました。







Q:「仕事」というものは、社会で役に立つのですか。



A:ある人が自分の仕事だと考え行っていることでも、法令に反したり、倫理に反するものは、社会で役に立たないと考えられます。

しかし、法令に反しないこと、倫理に反しないことであるなら、ほとんどの仕事は社会で役に立つものばかりだと考えられます。


次回:社会で役に立つ仕事とは

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